写真・図を含む資料の絞り込み検索について
最近、利用者の皆様から、地図や写真といった資料についての問い合わせが多く寄せられます。 そこで、今日は地図や写真の絞り込み検索方法についてご紹介したいと思います。
まずはじめに、地図を含んだ資料を探してみたいと思います。 ここではキーワード検索画面に「上海市」を入力して検索ボタンをクリックします。 検索結果一覧画面が表示されたら、検索条件表示/非表示ボタンをクリックしてみましょう。 種別で「すべて」に入っているチェックを外し、「図を含む」のチェックボックスにチェックを入れた後、絞り込み検索ボタンをクリックします。
検索結果一覧の一番上に、件名「111.上海市街地図 昭和12年」(レファレンスコード:B13080908000)が表示されるので、閲覧ボタンをクリックしましょう。 すると、3画像目に、2万分の1の上海市街の地図の一部が表示されます。 地図はサイズが大きいため分割撮影したものをデジタル化しています。 そのため、複数にまたがる分割画像(ここでは3~8画像)を合成してご利用頂くことになります。 都市だけではなく、中国、韓国、東南アジアなど各国の地図などもありますので、ぜひ検索してみてください。
つぎに、歴史教材にぜひ使いたいとの問い合せが多い、フランス人の風刺画家ジョルジュ・ビゴー(Georges Ferdinand Bigot)の作品を検索してみましょう。 ビゴーが発行していた風刺画“TOBAE”(フランス語の原表記は“TÔBAÉ”)は、明治政府に批判的なものであったため、内務省警保局保安課の検閲を受けていました。 このTOBAEに描かれた風刺画を「図を含む」絞り込み検索で探してみます。 キーワードに「ビゴー」と入力して検索します。 検索結果一覧画面で、同じく種別で「図を含む」のチェックボックスにチェックを入れて再検索します。 すると、検索結果の8番目に、「1.在横浜佛人経営狂画雑誌発行停止ノ件/9 TOBAE〔第32号〕」(レファレンスコード:B03040634900)の目録情報が表示されるので、閲覧ボタンをクリックしてみましょう。 ページをおくると、2画像目に【画像3】が表示されます。
これは、黒田清隆内閣(1888年4月~1889年10月)の閣内における藩閥間の権力闘争についての風刺画になります。 左側には、薩閥(鹿児島出身の政治家)である、海軍大臣西郷従道、陸軍大臣大山巌、文部大臣森有礼、総理大臣黒田清隆が、右側には、長閥である、班列(天皇の意向によって内閣員となる無任所大臣)伊藤博文、内務大臣山縣有朋が丸太に跨っており、ビゴーは、薩閥側に権力が集中している様子をシーソーゲームになぞらえ、皮肉を交えてユーモアたっぷりに表現しています。
では最後に、写真を含む資料の絞り込み検索の方法についてご紹介しましょう。 ここでは出版や企画展に利用したいとの問い合わせが最も多く寄せられる、グラフ雑誌『写真週報』(『写真週報』については、こちらを参照)の中に含まれる写真の検索をしてみます。
キーワード検索画面で「シンガポール」と入力して検索します。 続いて、絞り込み検索指定画面(【画像1】)で「写真を含む」を指定して再検索します。 さらに、検索結果一覧画面の「詳細を開く」をクリックしてみましょう。 すると、一覧画面に目録情報の詳細情報が表示されますので、資料を探すには非常に便利です。 上から5番目の「写真週報 206号」(レファレンスコード:A06031080100)の閲覧ボタンをクリックします。 ページを送ると5画像目にシンガポール市の写真が表示されます【画像4】。
図や写真を含む資料を対象として検索できるものは、まだ一部のみですが、今後も随時対象となる資料を増やしてしていく予定です。 ぜひ皆さんも試してみてください。
防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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伝記
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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その他
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戦争が行政機構や社会経済に与える影響について各種調査をまとめた資料が含まれています。
総力戦体制論の嚆矢となった「国防の本義と其強化の提唱」(いわゆる陸軍パンフレット)の原稿綴等があります。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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憲政史料
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この資料群には、内閣総合計画局長官 池田純久が残した1945年8月8日~14日までの政務官会議および最高戦争指導会議の速記録が含まれています。
広島の原爆投下を受けて、ポツダム宣言を受諾するか、あるいは玉砕覚悟の本土決戦に突入するかをめぐって緊迫した議論が行われていた様子がうかがえます。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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鉄道
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軍事鉄道輸送に関する資料群です。
日清戦争以降に於ける鉄道隊の作戦業務をまとめた「已往戦役に於ける鉄道業務」、満洲事変以後の鉄道施策をまとめた「軍事鉄道記録」(第1~6巻、雑)、ならびに、太平洋戦争時の作戦指導における大陸鉄道の運用をまとめた「鉄道作戦記録」などが含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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船舶
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太平洋戦争における船舶業務や上陸作戦の記録をまとめた資料群です。
マレーやフィリピンなどの南方方面への上陸作戦、ガダルカナル島などの南太平洋方面への輸送作戦や、輸送船の一覧、さらには戦後の復員輸送船関連の資料なども含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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軍旗
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御真影、勅諭の御授与、新編制部隊の軍旗親授、ならびに終戦に伴う軍旗奉焼に関する記録をまとめた資料群です。
いずれも、軍人精神の象徴として重視されていたことがうかがえます。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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感状
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労を惜しまなかった部隊、あるいは軍人を賞賛するために発給された感状集等をまとめた資料群です。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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中央
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全般
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統計年報
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陸軍軍人軍属に関する統計情報をまとめた資料群です。
壮丁及現役志願者、現役兵人員、在郷軍人、軍馬などに関する統計情報を収録した「陸軍省統計年報」(明治17~昭和12年)が主に収められています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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満洲
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終戦時の日ソ戦
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終戦間近にソ連国境地域に展開していた部隊の戦闘要図・対ソ戦研究用資料等を収めている「対蘇作戦記録」、および戦後に編纂された終戦前後の各部隊の動向を記録した「部隊原簿」、復員のための情報資料として編纂された「未復員者主要地点別分布状況表」「部隊終戦時位置索引簿」などが含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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満洲
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地誌資料
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参謀本部や関東軍が作製した、満洲(現在の中国東北地域)・内モンゴル・朝鮮半島に関する市街図や地形図、および「支那>兵要地誌」の資料群には含まれていない兵要地誌が収められています。
特に、三江省やウスリー川流域、ソ連国境地域に関わる資料が多く含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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比島
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全般
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フィリピン占領期における日本陸軍の全作戦記録、ならびに軍政関係をまとめた資料群です。
戦後に第一復員局がまとめた「比島作戦記録」や、軍政に関する布告、告示、注意、その他公表記事を収録して解説を付した「軍政公報」第1~13号の日本語版と英語版が含まれています。
また、比島憲兵隊本部が作成した「カトリック教勢」といった参考資料なども含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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比島
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進攻
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フィリピン進攻作戦を担当した本間正晴中将が率いる第14軍の戦闘経過をまとめた資料群です。
簿冊「歩兵第9、20、33連隊戦闘経過要図」には、日本軍のマニラ攻略戦闘経過概見図や、アメリカ極東陸軍司令官ダグラス・マッカーサーが立てこもるバターン攻略の戦闘経過要図なども含まれています。
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防衛省防衛研究所
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陸軍一般史料
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満洲
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満洲事変
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1931年9月18日の柳条湖事件から1932年3月の満洲国成立、さらにはその後の討伐作戦に関する経過をまとめた関東軍参謀部編纂の「満洲事変情報綴」、および作戦行動に従事した各部隊の「行動詳報」や「戦闘詳報」、「陣中日誌」などが含まれています。
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アジア歴史資料センター・大英図書館共同インターネット特別展「描かれた日清戦争 ~錦絵・年画と公文書~」
5月27日に、新しいインターネット特別展「描かれた日清戦争 ~錦絵・年画と公文書~」を公開しました。 このインターネット特別展は、アジ歴と大英図書館との共同企画として制作・公開しているものです。 大英図書館が所蔵する日清戦争関係の版画コレクションとアジ歴の公開する日清戦争の関係資料とをあわせてご紹介し、日清戦争という出来事を、当時の人々がどのように描いたのか、どのように記したのかを見ていきます。
企画展「近代日本の幕開けと私立法律学校―神田学生街と法典論争」開催
明治大学大学史資料センター、専修大学大学史資料課、中央大学大学史編纂課、日本大学大学史編纂課の共催にて、2014年1月24日から2月28日まで本企画展を開催いたしました。 (協力:獨協学園史資料センター、法政大学史センター、後援:千代田区、神田古書店組合、全国大学史資料協議会東日本部会、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社)
法律学校を源流とし、東京・神田の街で歩みを続けてきた専修大学、中央大学、日本大学、明治大学の大学資料を中心とする標記企画展を明治大学博物館特別展示室において開催いたしました。 展示においては核となる資料画像の一つをアジア歴史資料センターよりご提供いただきました。
江戸期には武家地と町人地が存在した神田地区は、明治維新後旧武家地に官立の学校が設置され、明治10年代以降には私立法律学校やその他各種学校が相次いで設立されています。 とくに私立法律学校は、1880(明治13)年の代言人規則改正や刑法・治罪法の公布以降、法曹教育の社会的要請の高まりとともに、学生数を増加させていきました。 今回の展示ではその実態に迫るとともに、私立法律学校を二分する大論争となった「法典論争」を大きなトピックスとして取り上げました。
「展示Ⅰ 神田学生街の形成」では、神田は学校が集中するとともに、学生たちが学び、生活する場になっていったことを「下宿届簿」など貴重な資料を通して紹介しました。 「展示Ⅱ 明治維新と文明開化―法律学校創立者たちの修行時代」では、各私立法律学校創立者たちが、激動の幕末・維新を経て、西欧留学により法学知識を摂取した経験について展示しました。 「展示Ⅲ 私立法律学校の胎動」では、法制官僚や法学者として活躍するようになった創立者たちが私立法律学校を設立するに至る経緯を取り上げました。 本コーナーでは、法曹の育成が社会的課題となったことを示す資料として、アジア歴史資料センターよりご提供を受けた1882年施行の「治罪法」(『布令便覧』1888年所収 原本国立公文書館所蔵)をパネル展示しています。
展示風景。左から二番目奥が「治罪法」パネル
展示Ⅳ
本展示で大きなスペースを割いたのが、「展示Ⅳ 法典論争の中の私立法律学校」です。 1890年公布の民法および商法の施行をめぐり、私立法律学校同士はそれぞれの立場で激しく意見を戦わせました。 当時描かれた法典論争の風刺画を大きく引き伸ばしてディスプレイするとともに、それを取り囲むように論争関係者の切迫したやりとりが記された手紙などを展示しました。 最後のコーナーとなる「展示Ⅴ 私立法律学校のゆくえ―総合大学への道」ではこれら私立法律学校が大正期に大学昇格を果たし総合大学へ歩みを進めていく様相を紹介しました。
大学関係者以外にも法曹関係者や一般の方も多数ご来場いただき、3000名に迫る入場者を迎えて盛況のうちに幕を閉じることができました。 アジア歴史資料センターをはじめ多数のご協力を得た共催展という初の試みでしたが、今回の経験を糧に同様の企画を立てて行きたいと考えております。
ギャラリートークの様子(2月1日)
・2014年度AAS年次大会(於アメリカ・フィラデルフィア)への参加(2014年3月27日~30日)
AAS(Association of Asian Studies:アジア研究学会)はアジア地域を専門分野とする研究者の学術交流・情報交換などを目的として、1941年に設立されたアメリカの学術団体です。 毎年3月にアメリカのいずれか都市で開催される年次大会では、世界中のアジア研究者が3000名近く集い、350以上のパネル・セッションが開催され、研究報告と活発な議論が繰り広げられます。 今年の年次大会は、フィラデルフィアのフィラデルフィア・マリオット・ダウンタウンを会場として、3月28日から31日までの4日間にわたって開催されました。 会期中の参加者は全部で3419名で、例年に比べて参加者が多かったこともあり、大会は盛況のうちに終わりました。
アジ歴のブースの様子
アジ歴はここ数年、ブース展示に参加して広報活動を行ってきましたが、今年はアジ歴公開資料の紹介や検索方法のデモンストレーションに加えて、アジ歴利用促進のためのアンケート調査も実施しました。 とくに、アジ歴の図や写真を含む資料や外国語を含む資料を検索できる機能については、強い関心を示される方が多く、展示ブースには多くの方が訪れてくださいました。 またアンケート調査にも好意的で、大学教員や大学院生、図書館司書といった、多数のアカデミック関係者の方から回答していただくことができました。
今回のアンケート調査の回答結果によると、7割近くの方にアジ歴が認知されていないことがわかりました。 アジ歴データベースの改善点について、目録情報の精度向上(先頭300文字の修正)を望む声が一番多く、今後アジ歴で利用したい検索機能については、グロッサリー検索機能(戦前の日本に存在した機関名、役職などの用語一覧からの検索)を望む声が最も多く、次いでタグ検索機能(資料ごとに登録されたタグ<テーマ・分野・地域・時代>などを選択して検索)や公文書に添付された資料の検索機能(報告書・雑誌・書籍等のタイトルによる検索)などを希望する方も多くいらっしゃいました。
システム面での改善点については、Macintosh環境等では、DjVuを利用するためのプラグインソフトが利用できずにJPEGで閲覧せざるを得ないため、マルチページに対応したPDFフォーマットでの画像閲覧を強く望む声もありました。
こうした利用者の声をより正確に把握するために、今後も引き続きアンケート調査に取組んでいくつもりです。ぜひ本アンケートにご協力をお願いいたします。
・国 外
3月28日~4月1日
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AAS(アジア研究学会)年次大会でのブース出展/ボストン公文書館での意見交換・所蔵資料調査/ハーバード大学図書館イメージングサービスの施設見学・意見交換/ハーバード・燕京図書館での意見交換・所蔵資料調査
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6月10日~11日
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ソウル大学校日本研究所及び国民大学校日本学研究所での波多野センター長講演(「サンフランシスコ講和条約体制と『歴史問題』」)及び職員によるアジ歴紹介・意見交換/日中韓三国協力事務局(ソウル)での意見交換/東北アジア歴史財団での意見交換
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7月17日~22日
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AAS-in-Asia(アジア研究学会 アジア大会)でのブース出展/シンガポール国立大学中文図書館での意見交換・所蔵資料調査/南洋理工大学Wang Gungwu ライブラリーでの意見交換・所蔵資料調査/シンガポール国立公文書館での意見交換・所蔵資料調査/シンガポール国立図書館での意見交換・所蔵資料調査
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・国 内
4月22日
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東京大学総合文化研究科 村田雄二郎教授ゼミでのアジ歴の利用方法の講義(東京大学駒場キャンパス)
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4月24日
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富山県博物館協会総会(富山県立近代美術館)でのプレゼンテーション
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5月23日
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岡山県博物館協議会総会(岡山県立美術館)でのプレゼンテーション
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5月26日
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宮崎県公共図書館連絡協議会(宮崎県立図書館)でのプレゼンテーション
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5月28日
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佐賀県博物館協会(佐賀県立名護屋城博物館)でのプレゼンテーション
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5月30日
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奈良県図書館協会公共部会(奈良県社会福祉総合センター)でのプレゼンテーション
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6月3日
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徳島県博物館協会(徳島県立博物館)でのプレゼンテーション
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6月4日
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青森県博物館等協議会(青森県立郷土館)でのプレゼンテーション
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6月9日~10日
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全国公文書館長会議(札幌市公文書館・TKPガーデンシティ札幌)
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7月3日
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東京大学総合図書館における講習会
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7月11日
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大分県博物館協議会(大分県立図書館)でのプレゼンテーション
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7月23~24日
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岩手県博物館等連絡協議会(岩手県立水産科学館)でのプレゼンテーション
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7月31日
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北大阪ミュージアム・ネットワーク(茨木市立文化財資料館)でのプレゼンテーション
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5月19日
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大阪大学小林茂名誉教授、お茶の水女子大学宮澤仁准教授
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7月9日
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ハーバード・燕京図書館日本語資料担当司書マクヴェイ山田久仁子氏
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アメリカ合衆国における日本関係資料所蔵状況
2014年3月のアメリカ出張に際し、センター職員2名が以下の3機関を訪問し、日本関係資料の所蔵状況および資料のデジタル化について聞き取り調査を行いました。 今回訪問した3機関の状況は以下の通りです。
・ボストン公文書館(→ホームページ)
ボストン公文書館は、1970年代にニューイングランド地方で作成された記録文書の保管庫として活動を開始しました。 このような地方の公文書館が属する米国の国立公文書館は、独立した連邦機関として1934年に設立され、貴重な連邦政府文書の保管・管理を行っており、地方公文書館、連邦記録センター、大統領図書館等、全米40以上の施設を有しています。
ボストン公文書館では、資料数は少ないですが、第二次世界大戦中の資料として、マサチューセッツ工科大学(MIT)からの移管文書などを保管しています。 同資料はMITの放射線研究所(Radiation Laboratory)のプロジェクトに関するもので、プロジェクトの実施主体が当時の連邦政府であった縁で、現在、ボストン公文書館の保管となっています。
1940年代からMITは軍事技術研究開発に関わるようになり、太平洋戦争開戦後に、放射線研究所(Radiation Laboratory)と称する軍事研究所を設置しました。 これらの資料は、同研究所が新兵器開発のために収集した資料の一部と考えられます。
米国陸軍航空隊の日本上空における航空図やサイパンで接収した旧日本軍の戦車の写真等、軍事技術関連の資料などを数十点所蔵しています。 なお、同資料は既に機密指定が解除されており、請求すれば閲覧が可能です。
・ハーバード大学イメージングサービス(→ホームページ)
同大学図書館イメージングサービスは、1997年に蔵書デジタル化支援のためのテクニカルサービスの専門部署として組織されました。 同大学のメインライブラリーであるワイドナー記念図書館の地下1階が、その作業室となっており、撮影技術者・カタロガー・工程管理者など、常勤・非常勤を含めて総勢40名のスタッフを揃えています。
撮影機材は多岐にわたり、資料のタイプに応じたデジタルスキャンやオーバーヘッドカメラ、傷んで背割れしそうな書籍資料用のブックスキャナー、画像補正用のスキャナーや地図などの大型資料専門のスタジオなども設置されており、様々な資料のデジタル化に対応できる体制となっています。
イメージングサービスは、学内のデジタル化を全面的に請負うとともに、単なるデジタル化作業の実施にとどまらず、デジタル化プロジェクトそのものの計画から、工程管理、予算に応じた撮影方法や画像仕様、目録やメタデータの作成はどのようにするべきかといったことまで、専門スタッフがきめ細かいコンサルティングを行っています。 なお、学外の一般の方でも有料でサービスを受けることができます。
・ハーバード・燕京図書館(→ホームページ)
ハーバード・燕京図書館は1928年に設立され、140万冊以上の蔵書数を誇るアジア地域以外では最大規模の東アジア研究図書館です。 同館には、中国語書籍がおよそ81万冊、日本語書籍34万冊、韓国語書籍17万冊が所蔵されており、近年は、中国語書籍の購入が増えているとのことでした。 日本語書籍は、約4分の1が遠隔倉庫に収蔵されていますが、残りは三階建ての開架式書庫に配架されています。 同図書館に所蔵されている日本語書籍については、HOLLIS Classicと呼ばれるハーバード大学図書館の統合検索システムから、日本語で書名・著者名を入力して検索することが可能です。
横浜正金銀行関係資料
同館には、日本関係資料として、1928年から1941年ぐらいまでの横浜正金銀行関係の資料が所蔵されています。
同資料はニューヨーク支店のものと思われ、「頭取席要録」「頭取席外国課日誌」「頭計達公信」「諸勘定明細表」「株主名簿」をはじめ、「管理公信」は実物がそのまま綴じられており、その他、各種調査報告書、調査資料なども所蔵されています。
これらの資料は、HOLLIS Classicで検索が可能となっています。
太平洋戦争戦時下に連合軍によって接収された旧日本陸軍関係の資料が所蔵されています。 同資料はいずれも目録が作成されておらず、未公開のものです。 原資料(きっちり綴じられているものも含めて約7簿冊程度)は、白い中性紙の保存箱3箱に分けられて保存されていました。 資料の内容は、グアム、沖縄、西部ニューギニアにおけるや軍政や、中国における軍事作戦など内容は多岐に亘ります。 “Cincpac-Cincpoa”(米太平洋艦隊司令長官兼太平洋地域司令官:commander-in-chief of the Pacific Fleet and the Pacific Ocean Areas)や “ATIS”(連合国翻訳通訳部:Allied Translator and Interpreter Section)といった当時のアメリカの軍事機関の名称が印字されており、日本の軍事行動の把握のために連合軍が資料収集していたことがうかがえます。
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7月26日~9月13日
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平成26年度 第2回企画展「『写真週報』―広報誌にみる戦時のくらし―」
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昭和13年(1938)から昭和20年(1945)にかけて、内閣情報部(のち情報局)が刊行したグラフ誌『写真週報』。
今回は、衣食など、人々の生活に関わる記事に着目します。
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5月13日~9月12日
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特別展示「日本とトルコ ―国交樹立90年―」
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本年は日本とトルコの国交樹立から90年にあたります。
外交史料館と在日トルコ共和国大使館が主催する今回の特別展示では、国交樹立に関する条約書等を中心としながら、そこに至るまでの両国の交流、また国交樹立後の両国親善関係の深まり等、近代における日本とトルコの交流の歴史を外交史料等によりご紹介します。
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9月17日(水)
9:30~17:55 |
第13回(平成26年度)戦争史研究国際フォーラム「統合及び連合作戦の歴史的考察」
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第一次世界大戦勃発100周年に当たる今年は、近代戦の帰趨を決定づける「統合及び連合作戦」という命題に、第一次大戦以降、関係各国、各軍がどのように取り組んできたのか、また、実際の戦場ではどのような問題が生じ、どうやってそれを克服してきたのか等について、歴史的視点から考察します。
※ 聴講お申し込み要領については防衛研究所ホームページに掲載されています。 |
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11月2日~11月16日
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琉球大学附属図書館・資料館(風樹館)企画展「久米島のくらしと自然」
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琉球大学附属図書館と資料館(風樹館)では、久米島町教育委員会との共催により合同企画展「久米島のくらしと自然」を開催します。
本企画展では、通常一般公開をしていない附属図書館所蔵の貴重書や資料館(風樹館)所蔵の動物標本、久米島に関連する写真パネルなどを展示します。
また、関連講座もおこないます。
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【編集後記】
アジ歴ニューズレター第15号をお読みいただきありがとうございました。
今回のアジ歴ニューズレターはいかがでしたでしょうか。
今後は海外におけるアジ歴資料の活用事例など、利用者の皆様に役立つ情報を掲載していきたいと考えております。
どうか今後ともご愛読頂けますようよろしくお願いいたします。
次号は11月下旬にお届けする予定です。
※皆様からのご意見・ご要望をお待ちしております。
≫ こちら ≪ からお寄せ下さい。
団体などが主催する行事・研究会、学校の授業等におけるアジ歴の紹介や利用ガイダンスなどを実施します。ご希望の方は下記の「お問い合わせ先」までお知らせください。
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