1910年8月韓国併合に伴い、日本が朝鮮を統治するために設置した朝鮮総督府の長官。総督は親任官で、陸海軍大将の中から選ばれた。朝鮮軍を率いるとともに、政務に関しても総理大臣の監督を受けずに天皇に上奏し、裁可を受ける特殊な地位にあった。また、司法、行政、立法の3権を掌握し、法律に代わる制令を発布できるなど、絶対的な権限を持っていた。初代総督は内閣総理大臣かつ最後の韓国統監を務めた寺内正毅。1919年8月の官制改革で、陸海軍大将に限られていた総督の任用範囲を文官まで拡大したが、文官が総督に就任することはなかった。また、総督の陸海軍統率権をなくし、必要に応じて陸海軍司令官に兵力使用を請求できると改められた。総督を経て首相を歴任したのは、寺内正毅ほか、斎藤実、宇垣一成の3名。総督には他、長谷川好道、山梨半造、南次郎、小磯国昭、阿部信行が就任。朝鮮総督府解体までに計11名が就任した。 |