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地域 | 朝鮮 |
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都市名 | 京城 |
解説 | 当初、警察については、憲兵司令官が中央の警務総監を兼ね、各道の憲兵隊長が道の警務部長となる憲兵警察制度が敷かれていたが、1919年3月1日に起きた独立運動を契機に総督府行政は大幅な改編をおこなった。1919年8月の組織改編によって、警察については、これまで所属官署であった警務総監部は廃止、本府に警務局を設置した。警務局は警務課、高等警察課、保安課、衛生課から構成され(後に図書課が設置)、改編とともに、これまでの憲兵警察制度は廃止された。地方(道)の警務部も廃止され、道知事に警察権が移された。また機構も拡充され、「一府郡一警察署」、「一面一駐在所」が実現し、警察官の数は以前より増加した。業務の面では、1920年代以降、中国東北部との国境地帯における抗日運動や、朝鮮内における社会主義運動への対応が重要課題になった。いっぽう、機構改編の面では、日中戦争後の1939年2月には防護課が設置されて防空、消防・水防に関する事務を管掌、1940年には経済警察課が設置された。いっぽう、1941年11月には厚生局が新設されると衛生業務が移管された。防護課は1943年12月の再編により警備課に改称され警衛警備事務が警務課から移管された。また、図書課廃止にともない保安課に検閲業務が追加されたが、1945年4月の最後の改編で検閲課が新設、検閲業務が独立した。 |
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参考資料 | 「朝鮮総督府警務総監部事務分掌規程」朝鮮総督府訓令第4号、1910年10月1日(『官報』第8192号、1910年10月10日)。「朝鮮総督府官制改正」勅令第386号、1919年8月19日(『朝鮮総督府官報』号外、1919年8月20日)。「朝鮮総督府事務分掌規程改正」訓令第13号、1926年4月24日(『朝鮮総督府官報』1926年4月24日)。「朝鮮総督府事務分掌規程改正」訓令第6号、1939年2月3日(『朝鮮総督府官報』1939年2月3日)。「朝鮮総督府事務分掌規程改正」訓令第103号、1941年11月19日(『朝鮮総督府官報』号外、1941年11月19日)。「朝鮮総督府事務分掌規程改正」訓令第88号、1943年12月1日(『朝鮮総督府官報』1943年12月1日)。「朝鮮総督府事務分掌規程改正」訓令第18号、1945年4月17日(『朝鮮総督府官報』号外、1945年4月17日)。宮田節子「十五年戦争下の朝鮮統治 未公開資料朝鮮総督府関係者録音記録(1)」『東洋文化研究』(学習院大学東洋文化研究所、第2号、2000年3月)。松田利彦『日本の朝鮮植民地支配と警察―1905~1945年』(校倉書房、2009年)。 |
歴代長官 部局長等 |
赤池濃(1920年7月1日現在)/丸山鶴吉(1922年7月1日現在)/三矢宮松(1925年1月1日現在)/浅利三朗(1927年1月1日現在)/森岡二朗(1930年1月1日現在)/池田清(1931年7月1日現在)/田中武雄(1936年7月1日現在)/三橋孝一郎(1937年1月1日現在)/丹下郁太郎(1942年7月1日現在) |