公文書に見る 日米交渉 〜開戦への経緯〜
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 ●宣戦布告
 宣戦布告とは、ある国が他国と「戦争状態にある」ということを意志表示することです。あるいは、「宣戦」、「開戦宣言」、「戦争宣言」という場合もあります。宣戦布告が行なわれた後で国家間が武力を使って争うことを通例では「戦争」といいますが、宣戦布告がないまま武力を使う争いを「事変」や「紛争」といいます。
 ある国が他国に対して宣戦布告を行なった時点で、両国は「交戦国」と呼ばれ、国際法上の「交戦状態」あるいは「戦争状態」に入ったと見なされます。その際、戦争に参加せず、さらにどの交戦国に対しても援助を与えない国のことを「中立国」といいます。
 宣戦布告に関連して、以下の資料があります。

資料1:A03033082700 開戦ニ関スル条約御批准ノ件(1〜8画像)
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資料2:A03020585900 御署名原本・明治三十七年・詔勅二月十日・露国ニ対シ宣戦(1〜5画像)
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資料3:B02032307000 2.米国ノ対ドイツ宣戦布告書送付ノ件(2〜6画像)
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 資料1は、明治40年(1907年)のハーグ会議で採択された「開戦に関する条約」全文の日本語訳です。ここでは、宣戦布告について、国際法に則った規定が示されています。また、条約に調印した各国の代表者の氏名に並んで、日本の代表として署名した都筑馨六(つづき・けいろく)特命全権大使と佐藤愛麿(さとう・あいまろ)駐オランダ公使の名前が載っているのがわかります。
 資料2は、明治37年(1904年)の日露戦争において、日本がロシアに宣戦布告したことを示した天皇の詔勅です。詔勅とは、天皇がみずからの意志を表示する際の文書のことを指します。
 資料3は、第一次世界大戦中の大正6年(1917年)にアメリカがドイツに対して宣戦布告した文書の写しを、昭和14年(1939年)に堀内謙介駐アメリカ大使が有田八郎外務大臣に宛てて送ったものです。その宣戦布告の文書には、ウィルソン米大統領をはじめ、当時のアメリカの上院・下院の議員たちの署名が残っています。ウィルソン米大統領の署名は、「Declaration of a State of War Between the United States and the Imperial German Government」(アメリカ合衆国とドイツ帝国政府との間の戦争状態の宣言)と題した文書に記されています。
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