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地域 | 日本 |
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都市名 | 東京 |
解説 | 蕃地事務局とは、台湾出兵に関する事務機関である。1874年、台湾領有論の高まりを受けて、同年3月に陸軍省内へ「取調局」が設けられ、さらに翌4月5日、同省内に蕃地事務局が設置された(後に正院へ移行)。その役割は、台湾出兵の予算確保や兵站輸送・情報収集について、陸海軍省をはじめとする関係各省と協議し、その事務を遂行するところにあった。権限や章程は定められていなかったが、開戦が迫る中で陸海軍から権限の明確化が求められ、同年8月29日、「蕃地事務局仮章程」が制定された。これにより、局内には往復・会計・編輯・写字・翻訳の各掛が設けられ、正院や大蔵省等からの出仕者が事務を担うこととされた。同年11月、日清交渉成立により台湾撤兵が決定すると、1875年1月10日、事務局の閉局が決定。「旧蕃地事務局」と改称して残務処理を行ったが、同年7月12日、会計残務を大蔵省に引き継ぎ廃局となった。 |
上位の階層 | |
参考資料 | 「台湾出兵」(藤村道生執筆)国史大辞典編集委員会編『国史大辞典 8巻』吉川弘文館、1987年、925頁。勝田政治「大久保利通と台湾出兵」(『人文学会紀要』34、2001年、1~15頁)。後藤新「明治七年台湾出兵の一考察」(『法学政治学論究』60、2004年、323~355頁)。「台湾事件輯録・巻2・記函第12号・明治7」(アジ歴Ref:C11081211300)。「単行書・太政官沿革志三十六」(アジ歴Ref:A04017232400)。 |
歴代長官 部局長等 |
大隈重信(蕃地事務局長官) |