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地域 | 関東州 |
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都市名 | 旅順 |
解説 | 関東都督府陸軍部は、関東都督府において陸軍に関する業務を担当した部署である。1906年8月に勅令第204号「関東都督府陸軍部条例」により設置された。日露戦争で関東州と東清鉄道南部支線の沿線を占領した日本陸軍は、1904年9月に遼東守備軍を置き、軍後方業務と占領地内の各軍政署を統轄させた。1905年5月に遼東守備軍が廃止され、6月に後方業務を統括する遼東兵站監部と、兵站監部隷下で軍政を統轄する関東州民政署が編成された。講和成立後の同年10月、在満の軍政諸機関を統轄する軍政機関として関東総督府が置かれた。1906年8月に軍政が廃止され、関東総督府は関東都督府に改組されたが、都督府のうち陸軍に関する部署は独立した都督府陸軍部条例を設置根拠とした。陸軍部には参謀長と、参謀部・副官部(以上2部を幕僚と総称)・法官部・経理部・軍医部・獣医部の6部が置かれた。幕僚は参謀長の指揮下に置かれた。法官部以下の4部は都督の隷下で業務に従事したが、一部の業務については、経理部長は陸軍大臣に直隷、もしくは陸軍省経理局長の区処(本来天皇直属の組織に対し、天皇から委任を受けた部署が事実上の指揮命令行為をおこなうこと)を、軍医部長は陸軍省医務局長の区処を、獣医部長は陸軍省軍務局長の区処を受けた。1918年5月、軍令陸第五号により陸軍部条例が改正され、新たに兵器部が置かれた。兵器部長も一部の業務について兵器本廠長の区処を受けた。1919年4月、関東都督府が廃止されると、陸軍部は関東軍に改組され、民政を管掌する関東庁と分離した。関東軍司令官は天皇に直隷し、業務に関しては陸軍三長官の区処を受けた。陸軍部の部内構成はほぼそのまま関東軍に引き継がれ、経理部長等の区処関係も引き継がれた。 |
上位の階層 | |
参考資料 | A04017278200(満洲軍政史第1巻)。栗原健編著『対満蒙政策史の一面』(原書房、1966年)第2章。A03020679800。A03020749600(陸軍経理部条例)。A03020749700(陸軍軍医部条例)。A03020749800(陸軍獣医部条例)。「関東都督府陸軍部条例」(軍令陸第5号、1918年5月29日)『官報』第1747号、1918年5月31日。A03021142100(陸軍兵器部令)。「関東軍司令部条例」(軍令陸第12号、1919年4月11日)『官報』第2005年、1919年4月12日。 |
歴代長官 部局長等 |
星野金吾・参謀長(1908年5月1日現在)福田雅太郎・参謀長(1913年7月1日現在)西川虎次郎・参謀長(1915年5月1日現在)高山公通・参謀長(1917年5月1日現在) |