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地域 | 朝鮮 |
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解説 | 大韓帝国(韓国)に駐屯した日本軍の司令部である。朝鮮における日本軍の配備は日露戦争を契機としている。このとき日本軍は、ロシアとの戦闘に注力する作戦部隊と、韓国内の占領地の守備や兵站を担う駐箚軍に分けられた。駐箚軍は1904年3月20日に司令部と隷属部隊の編成が完結し、4月3日に漢城に到着。8月には編成が拡大された。戦争の後方支援とともに鉄道敷設の任務も担い、電信・鉄道・軍需品に関する軍律を地域の一般住民に適用した。軍律は日露戦争終結以降も存続し、廃止されたのは韓国併合のときである。また、韓国駐箚軍において、警察を担ったものに韓国駐箚憲兵隊がある。すでに臨時憲兵隊が1896年から置かれていたが、日露開戦後、韓国駐箚軍隷下に入り、電信線、鉄道の保護を目的に各地に分駐し、普通警察と軍事警察を担った。いっぽう、統監には駐箚軍や憲兵隊の使用・指揮が認められ、文官としては異例の措置が取られた。韓国駐箚軍は韓国併合後、朝鮮駐箚軍に改称され、また常駐師団計画によって1916年から第19師団、第20師団の編成がはじまり、1918年に朝鮮軍と改称された(編成完結は1921年)。憲兵隊は、1910年6月に韓国警察権が日本に移されると、警察と統合、憲兵警察制度が発足した。同年9月、憲兵が「治安維持に関する警察及び軍事警察を掌る」ことが定められた。 |
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参考資料 | 韓国駐箚軍および韓国駐箚憲兵隊については、C06040601800(韓国駐留軍司令部編成完結の件)、C06040146400(韓国駐剳軍司令部及隷属部隊編制要領)、A03020680799(韓国駐箚軍司令部条例)、B07090619600(日露戦役ノ際韓国駐箚軍司令部編成一件)、 C02030754200(韓国駐箚憲兵隊に関する件) A01200054100(朝鮮駐箚憲兵条例ヲ定ム)を参照。松田利彦『日本の朝鮮植民地支配と警察―1905~1945年』(校倉書房、2009年)徐民教「韓国駐箚軍の形成から朝鮮軍へ―常駐師団の誕生」(『帝国支配の最前線 植民地 地域のなかの軍隊7』坂本悠一編、吉川弘文館、2015年) |