■資料解説
日露戦争参加者による回想録のうち、仁川方面作戦に関するものです。1~16画像目は、巡洋艦千代田の大石砲術長によるもの、17~54画像目は、第四戦隊参謀の森山中佐(当時)によるものです。
25~28画像目には、2月8日のコレーツに対する魚雷襲撃の様子が記述されています。これによれば、魚雷の発射は、瓜生司令官の意思に反して行われたことが分かります。仁川港内では当方より攻撃してはいけないという訓令があったためです。また、コレーツの衛兵隊は千代田と敬礼交換までしていたことから、コレーツに戦意はなかったことが示されています。
しかし、海軍大臣への電報(28~29画像目)には、コレーツが「運送船攻撃の態度に出たるものと水雷艇より二発の水雷を発射」したとありますので、コレーツの戦意の有無において電報と森山中将の回想には矛盾が生じていることになります。また、同電報に対し、海軍大臣から「水雷艇から二発の水雷を撃ったと云ふことは、此方が先に手出しをしたと云ふことになり不都合であるから、向こふから発砲したから此方が撃ったのだと云ふ風に電報報告を訂正して出せ」という回訓がありました(29画像目)。このように、日本側から戦争をしかけたことを公認することは不都合であるという心情がうかがえます。
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