タイ国立公文書館(National Archives of Thailand)(
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タイ国立公文書館(NAT)は、近代以降におけるタイ王国の歴史資料を収蔵・公開する機関です。同館については、(
アジ歴ニューズレター24号)でも取り上げましたが、ここでは近年におけるデジタル化の取組について紹介します。NATでは、同館のHPにおいて、
デジタルアーカイブシステムを公開しています。ユーザーは利用登録を行うことで、オンラインによる資料の検索を行うことが可能です。NATでは、収蔵資料の原本は原則として閲覧不可とされており、その代替として資料のマイクロフィルム化やデジタル化が進められています。特に写真資料については、ユネスコ「世界の記憶」(Memory of the World)に指定されており、同館の特徴的資料として、積極的にデジタル化が進められています。
<アジア歴史資料センター研究員 淺井良亮>
抗日战争与近代中日关系文献数据平台(
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抗日战争与近代中日关系文献数据平台(抗日戦争と日中関係文献データベース)は、2018年9月にリリースされた、中国社会科学院近代史研究所が運営するデジタルアーカイブです。「抗日战争」つまり日中戦争と冠していますが、実際には、清朝末期に相当する19世紀末から中華人民共和国が建国した1949年までと、幅広い時期の資料を公開しています。データベースの特徴は、資料の種類がバリエーションに富むところにあります。公文書にあたる「档案」や図書(「图书」)・新聞(「报纸」)・雑誌(「期刊」)のほか、映像(「视频」)や音声(「音频」)を検索・視聴することができます。利用にあたっては、資料の検索・閲覧・ダウンロード(150dpi)を自由に行うことができます。ただし、検索に際しては簡体字で入力する必要があります。
<アジア歴史資料センター研究員 淺井良亮>