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地域 |
中国
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都市名 |
上海
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解説 |
上海海軍特別陸戦隊は上海在留日本人の生命財産保護と権益擁護、租界防衛を目的とする部隊。第一次上海事変後の1932年10月1日、海軍特別陸戦隊令に基づいて上海への常駐を開始し、租界外の閘北の江湾路に司令部を置いた。1937年8月13日、盧溝橋事件が上海に飛び火し、上海海軍特別陸戦隊西部派遣隊長大山勇夫大尉の射殺事件を引き金に第二次上海事変勃発、日中全面戦争に突入。約5000名の上海海軍陸戦隊は?介石の精鋭部隊8万を含む30万の中央軍に対して苦戦するが、陸軍上海派遣軍の到着後、激しい市街戦の末に租界以外の上海市を占領。1939年11月の支那方面艦隊改編時の編成では支那方面艦隊直轄。1940年汪精衛政権樹立後、頻発するようになった重慶政権の送り込む抗日テロに対処。太平洋戦争開戦時、上海方面根拠地隊とともに黄浦江上に碇泊する米砲艦ウェーキ・英砲艦ペテレルを拿捕し、共同租界に進駐、英米の権益の接収を行う。1945年7月以降、沖縄から発進したとみられる敵機による空爆が激化。終戦時の司令官は勝野実少将。終戦後は上海方面根拠地隊司令官が上海地区の終戦処理を統制指揮した。1945年9月7日、湯恩伯率いる第三方面軍が上海地区に進駐し陸海軍の武装解除を行い、上海海軍特別陸戦隊は浦東に集中。9月10日、中国陸軍総司令部より航空関係を除く海軍関係は一切中国海軍参謀長曾以鼎中将が接収するよう発令があり、13日に中国海軍接収員が上海に到着して接収開始、1946年2月に終了。上海方面の還送は1946年1月上旬以後、米LST船配船により急激に活発となり、2月に一時中断するが3月以降上海への配船が急激に増加、4月中旬に上海および周辺の軍民の大部分の還送が完了、海軍は5月末に戦犯容疑者と総連絡部以外の送還を終了し、7月4日の総連絡部撤退をもって全員還送完了。
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参考資料 |
高橋孝助・古厩忠夫編『上海史―巨大都市の形成と人々の営み』東方書店、1995年、125頁。海軍大臣官房『海軍制度沿革』3巻、1939年、1430~1432頁。『戦史叢書 中国方面海軍作戦<1> 昭和13年3月まで』139~140、184~189、305~335頁。『戦史叢書 中国方面海軍作戦<2> 昭和13年4月以降』118~119、128~130、280、325~327、458、472~473頁。『日本陸海軍総合事典』480頁。加藤陽子『満洲事変から日中戦争へ』岩波書店、2007年、210~218頁。植田捷雄『在支列国権益概説』巌松堂書店、1939年、121頁。
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