昭和16年(1941年)7月2日
第5回御前会議(議題:帝国国策要綱、南方施策、対英米政策)
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「第四回御前会議 議題「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策遂行要領」(1ページ)
(防衛庁防衛研究所提供)
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昭和16年(1941年)7月2日(水)10:00から12:00にかけて、第5回御前会議が開かれます。6月25日・28日の大本営政府連絡会議で決定された南方施策が改めて検討され、南部仏領インドシナ進駐の具体策はここで国策として決定されました。
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資料1:第五回 御前会議 議題『情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱』(『大本営政府連絡会議議事録 四冊中其の一』(杉山メモ)154画像〜163画像) |
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資料2:情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱 昭和十六年七月二日御前会議決定(『重要国策決定綴 巻一』24画像左〜25画像右) |
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昭和16年(1941年)7月2日、御前会議が開催されました。6月28日の第35回大本営政府連絡懇談会では、第32回連絡懇談会(6月25日)での「南方施策推進ノ件」決定後に起きたドイツ・ソ連戦の開始など、当時の状況を踏まえた「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策遂行要綱」が決定されましたが、今回の御前会議では、これが原案通り承認され、正式に国策として決定しました。
資料1はその会議録です。これによれば、「要綱」の細部、あるいはその実施の際の方針について、原嘉道枢密院議長より質問が出され、これに対して、松岡外務大臣、東条陸軍大臣、杉山参謀総長ら第35回大本営政府連絡懇談会における「要綱」決定の際のメンバーが回答を行なっています。このやり取りの中では、南部仏領インドシナ進駐の是非、ドイツ・ソ連戦、そして日本の対ソ連開戦の是非といった点について意見が交わされ、またこれらをめぐるイギリスやとくにアメリカの態度についての見通しも議論されています。
資料2は、このとき決議された「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策遂行要綱」の全文です。「要綱」では、「世界情勢ノ変転ノ如何ニ拘ラス大東亜共栄圏ヲ建設シ以テ世界平和ノ建設ニ寄与」し、また「支那事変処理ニ邁進シ」、「自存自衛ノ基礎ヲ確立スル為南方進出ノ歩ヲ進メ」ることを規定しています。
なお、この御前会議はここでご覧いただく資料(『大本営政府連絡会議議事録 四冊中其の一』(「杉山メモ」原本)においては「第4回」と表記されていますが、出版されている『杉山メモ』では今回を「第5回」としており、また先回と次回の御前会議に関する資料を参照しても、今回を第5回とするのが妥当であると考えられるため、本特別展ではこれを「第5回御前会議」として扱うことにしています。
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