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解説 | 陸軍の要塞、城堡、海岸砲台や館舎、倉庫等の建築修繕については、通常は砲兵方面または工兵方面が所掌するが、業務案件上特に必要な場合に別途設置される組織。1882(明治15)年7月制定の陸軍臨時建築署条例に基づき同年10月に設置された。それまで工兵第1方面が担当していた海岸砲台建築事務全般を引き継ぐこととされた。条例では、陸軍所属の要塞・城堡・海岸砲台、及びそれに関わる屯営・官舎・倉庫等の建築に従事し、必要に応じて臨時に開設され、建築が完了した時点で閉鎖すると規定された。署長には陸軍工兵科大佐ないしは中佐、次長には工兵科少佐が就くこととされた。署長は陸軍卿に隷属した。同年11月には東京湾陸軍臨時建築署と改称され、工兵第1方面本署が作業に当たっていた東京湾口における砲台を引き継いだ。1883年7月陸軍省は東京湾砲台建築顧問としてオランダ人工兵大尉ワンスケランベックを雇用した。ワンスケランベックは同年12月に東京湾巡視復命書を陸軍卿に提出し、東京湾口の広さなどを理由として、湾口の防御ではなく横須賀および東京の直接防御を提案したが、それに反対する海防局長と対立した。東京湾陸軍臨時建築署は1886年3月に廃止され、その業務は再び陸軍工兵第1方面が担うこととなった。 |
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上位の階層 | 陸軍(明治・大正期) > 陸軍省外局等 > 陸軍臨時建築署/東京湾陸軍臨時建築署 |
レファレンス コード |
「陸軍臨時建築署条例ヲ定ム」歴Ref:A15110077700、「工兵方面条例及臨時建築署条例中追加并刪除」Ref:A15110077800、「陸軍臨時建築署設置」Ref:A15110077900、「陸軍臨時建築署ハ東京湾陸軍臨時建築署ト称ス」Ref:A15110078000、「臨時建築 廃止に付工兵第1方面へ引渡の達」Ref:C06080006700。 |