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地域 | 日本 |
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都市名 | 東京 |
解説 | 水路部は水路の測量、海図の製作、水路誌の編纂、気象や海象の観測など、航海の保安に関することを担った海軍の組織。1886年(明治19)4月、海軍省内に置かれていた水路局が廃され、「海軍水路部官制」により海軍大臣に直属する独立官庁となる海軍水路部が設置された。海軍水路部は水路の測量・海図の調整・水路誌の編纂・気象の観測および図誌測器の配備、その他航海の保安に関することを掌り、部内には測量科・図誌科・測器科・観象台・計算課が置かれた。1888年(明治21)6月、参謀本部隷下にある陸地測量部に準じて水路事業も海軍参謀本部のもとに置かれることになり、「水路部条例」が定められ、水路部と改称、兵要のみならず一般の海図も調製することとなった。また、観象事業のうち天象は文部省に、気象は内務省に移管され、部内には測量科・図誌科・会計課が置かれた。1897(明治30)、所掌が軍政に関わることから再び海軍大臣の隷下となる。1920(大正9)、「水路部令」が制定され、分科体制から五課体制となる。1934年(昭和9)、航空図誌の調製準備、航空保安に関する事項も所掌することになり、1936年(昭和11)には兵要気象および海象の観測も所掌に加えられた。1945年(昭和20)11月、海軍省の解体と共に水路事業は運輸省に移管されて運輸省水路部となり、海上保安庁発足と同時に同庁へ移管された。 |
上位の階層 | |
参考資料 | 「御署名原本・明治十九年・勅令第二十六号・海軍水路部官制」(アジ歴Ref: A03020003000)、「御署名原本・明治二十一年・勅令第四十九号・海軍水路部官制廃止、水路部条例制定」(アジ歴Ref: A03020023900)、「御署名原本・大正九年・勅令第四百四十四号・水路部令」(アジ歴Ref: A03021278200)、「御署名原本・昭和九年・勅令第一五九号・水路部令中改正」(アジ歴Ref: A03021943700)、「御署名原本・昭和十一年・勅令第一九二号・水路部令中改正」(アジ歴Ref: A03022037400)、「御署名原本・昭和二十年・勅令第六六六号・水路部官制」(アジ歴Ref: A04017777400)。 水路部編『水路部沿革史―自明治19年至大正15年―』(水路部、1935年)、海軍大臣官房編『海軍制度沿革』巻二(海軍大臣官房、1939年、375~409頁)、国史大辞典編集委員会編『国史大辞典第』第八巻(吉川弘文館、1987年、32~33頁、※執筆:藤井陽一郎)。 |
歴代長官 部局長等 |
測量科長:肝付兼行(北海道開拓使から水路局に転じ、測量科長や水路部長を歴任。海軍大学校長などを経て、貴族院議員や大阪市長を務める) |