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地域 | 日本 |
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都市名 | 鹿児島/長崎/熊本/福岡/神戸 |
解説 | 台湾を領有すると、台湾総督府は特産品であった台湾産樟脳に対し、1896年には樟脳税則を制定して徴税を行い、1899年には樟脳専売制度を実施し、税収を増加させようとした。しかし、樟脳の国際価格が上昇したことによって日本内地の樟脳生産と輸出も急増した結果、再び国際価格が下落した。そのため、1903年6月、粗製樟脳、樟脳油専売法を成立させて台湾と内地共通の専売制を確立させた。これにともない内地に設置された機関が樟脳事務局であった。1903年9月14日に樟脳事務局官制が公布された。当事務局には事務官(専任2人)、技師(専任1人)、属(専任64人)、技手(専任9人)が置かれ、局長は事務官より充てられた。当事務局は鹿児島、長崎、熊本、福岡、神戸に設置された。また大蔵大臣の認められる地に出張所が置くことができ、その所長はその土地の税務署長が兼ねた。業務は、大蔵大臣の管理下で、樟脳、樟脳油の製法、収納、売買、輸出とその取り締まりに関する事務を行った。専売事業を統一するために、1907年9月25日専売局官制が公布されたことにより、樟脳事務局は廃止され、その業務は専売局に引き継がれた。 |
上位の階層 | |
参考資料 | ・樟脳事務局の官制については、「御署名原本・明治三十六年・勅令第百三十八号・樟脳事務局官制」(アジ歴Ref:A03020569100)を参照、官制の廃止については、「御署名原本・明治四十五年・勅令第六十九号・糖業改良事務局官制廃止」(アジ歴Ref:A03020731900)(1907年9月)を参照。粗製樟脳、樟脳油専売法の制定については、「御署名原本・明治三十六年・法律第五号・粗製樟脳、樟脳油専売法制定台湾樟脳及樟脳油専売規則並台湾樟脳及樟脳油製造規則廃止」(アジ歴Ref:A03020554500)を参照。 ・大蔵省百年史編集室編『大蔵省百年史』財団法人大蔵財務協会、1969年、198-199頁。 ・「樟脳」(執筆者 宮地正人)『明治時代史大辞典』第2巻、吉川弘文館、2012年272-273頁。 |
歴代長官 部局長等 |
樟脳事務局事務官:菅野盛次郎 |