トップページ > グロッサリー検索
地域 | 日本 |
---|---|
都市名 | 東京 |
解説 | 国民精神文化研究所は国民精神文化に関する研究、指導、普及を担う文部省直轄の研究機関。1931年(昭和6)6月に学生思想問題調査委員会が設置され、翌年5月に「学生生徒左傾」への対策として「我が国体、国民精神の原理を闡明し、国民文化を発揚し、外来思想を批判し、マルキシズムに対抗するに足る理論体系の建設を目的とする、有力なる研究機関」の創設が答申され、同年8月に国民精神文化研究所が設立された。研究所には所長のもとに研究部、事業部、庶務係が置かれた。研究部では歴史、国文、芸術、哲学、教育、法政、経済、自然科学、思想の各学科が置かれ、所員、研究嘱託、助手、調査嘱託が所属しておのおのの研究をおこない、紀要『国民精神文化研究所所報』や月刊誌『国民精神文化』、各種パンフレットを発行、また『国民精神文化文献』と題する叢書を刊行した。のちには編輯課を設けて出版事業をおこなった。そのなかで、国民精神文化の源流として神道を研究するため、神道に関する史料を収集して体系化する「神道大系」の刊行事業も計画されたが、途中で頓挫し、戦後、松下幸之助を代表とする財団により刊行された。事業部には教員研究科と研究生指導科が置かれ、教員研究科では全国の中等学校教員、高等専門学校教員の再教育をおこない、研究生指導科では思想上問題のある学生の指導矯正をおこなった。1943年(昭和18)、行政整理のため、国民精神文化研究所は国民錬成所と合併して、教学錬成所となった。 |
上位の階層 | |
参考資料 | Ref:国民精神文化研究所官制(A03021858900)、国民精神文化研究所一覧(A15060002000)、国民精神文化研究所の研究並びに事業(A15060148100)、教学錬成所官制(A14101088800)国民精神文化研究所編『国民精神文化研究所要覧』(国民精神文化研究所、1942年8月)、前田一男「国民精神文化研究所の研究-戦時下教学刷新における「精研」の役割・機能について-」(『日本の教育史学』25号、1982年9月) |