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地域 | 日本 |
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都市名 | 東京 |
解説 | 内務省の内局の一つ。警察行政全般を管轄した。警察行政は、内務大臣が掌握し、警視総監・府県知事を監督するが、その実務にあたったのが警保局であった。1872(明治5)年に創設された司法省警保寮が前身となる組織で、内務省へは、翌年1月9日に移管された。明治期から大正期にかけては、社会運動を取り締まる高等警察が重視された。政党が政権を担うようになると、議席を決定づける選挙活動関連の業務の重要性が増した。警保局長は全国警察の責任者であり、高等警察を所管することで、政治情報の収集などをおこなった。それゆえに、局長人事は自由任用と呼ばれる手法がとられた。この自由任用では、文官高等試験に合格した有資格者以外の人物を局長ポストに据えることができ、内閣総辞職とともに辞表を提出するのが慣行であった(実際には内務省出身者を充てることが多い)。1898(明治31)年10月22日「内務省官制」では、警務・保安・図書の三課が置かれた。1920(大正9)年には保安課から外事課が独立した。1928年には保安課から高等課が独立した。高等課は政党政治の拡大から廃止となり、防犯課となる。一方で戦時体制化が進むと、戦時統制経済の確立から経済警察を掌る経済保安課の設置や、従来の図書課から発展した検閲課などが置かれた。終戦後、局内の組織改編がなされるが、1947(昭和22)年に内務省が解体となるとともに、警保局は廃止された。 |
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参考資料 | 黒澤良『内務省の政治史』藤原書店、2013年、28-85頁。秦郁彦編『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』東京大学出版会、1981年、123頁。「内務省警保局」(執筆者 大日方純夫)『国史大辞典10』吉川弘文館、1989年、523‐524頁)。 |