参考文献 アジ歴公開資料 他機関公開資料
今から150年前の1871(明治4)年、明治政府はそれまで藩ごとに分かれていた軍を統一し、政府直轄の軍を築くべく御親兵を組織し、全国を管区に分けて鎮台を設置しました。また、明治政府は同年、兵部省に陸軍部と海軍部を設けました。
今回のアジ歴グロッサリーでは、このような建軍期から日清戦争、日露戦争、シベリア出兵を含む明治・大正期を対象に、陸軍に関する用語を集めました。陸軍の成立と展開を知る上での、1つの手がかりとなりましたら幸いです。なお、昭和期は含んでおりませんのでご留意ください。
2021年6月
国立公文書館アジア歴史資料センター〈構成〉
①軍事を管掌する中央官庁、②陸軍省に設置された外局等、③参謀本部等、④教育機関、⑤旧満洲、朝鮮、台湾における行政・軍組織、⑥戦時に編制された軍組織、⑦全国管区に分割された軍編制(鎮台)、⑧全国管区に分割された軍編制(師団)⑨帝都を防衛する組織の9分類に分けて解説しています。
〈軍隊用語〉
区処(くしょ)…… 本来は指揮命令関係にはない官庁または指揮官からの指示に基づいて、特定の事項について任務を遂行すること。本来の指揮命令関係にある上位の官庁または指揮官の委任に基づいて行われる。
(例)陸軍自動車学校の校長は、本来は教育総監の指揮命令下にあるが、自動車の研究や試験といった特定の事項に関しては、陸軍大臣の区処を受けた。
衛戍(えいじゅ)……陸軍軍隊が恒常的に一つの土地に駐屯すること。
隷下(れいか)…… 固有の隷属関係にあること。これに対して、指揮下は一般的な指揮関係下にあることをいう。
〈レファレンスコード〉
各項目にはレファレンスコードを付しています。各項目について、データベースで史料を検索してご覧いただく際にご活用ください。
当該項目の機構や歴史的背景に関する史料がないもの(教導団、朝鮮憲兵隊)については、一例として当該項目が件名に含まれる史料のレファレンスコードを1点記しました。
〈参考文献〉
各項目を執筆する際に参照した図書や論文のほか、明治・大正期の日本陸軍について理解を深めるのに役立つ文献をあわせてご紹介しています。
『戦史叢書』の各巻については、防衛省防衛研究所のWebサイトにて閲覧できます。一部の図書(陸軍軍医学校五十年史、陸軍経理学校沿革略史など)は国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧できます。