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Commentary | 軍需工業の総動員を実現するため、寺内正毅内閣が制定した統制法。従来の軍工廠を中心とする生産・補給体制と現存物資および人員徴発・徴用を目的とした徴発令(1882年8月制定)では、第一次世界大戦のような国家総力戦に対応できないため、平時戦時にわたる大量の軍需品生産を可能とする工業動員体制が急がれた。平時から民間工業が軍需工業へ転換可能な準備をしておくこと、同時にそれを具体化する機械、労働力、原料の確保を保証する体制が不可欠とされ、陸軍が主導して同法案の原案を作成、第40議会で大幅な補完的修正を受けたのち、軍需工業動員法(大正7年4月17日法律第38号)が公布された。主要条項の実施が「戦時」に限定されていたため、長らく部分実施にとどまっていたが、日中戦争開始後の1937(昭和12)年9月10日「軍需工業動員法ノ適用ニ関スル法律」が公布、施行され、その全面発動が決定された。本法は同時に公布された輸出入等臨時措置法・臨時資金調整法とならんで戦時統制3法と称され、日中戦争の長期化に伴い、1938(昭和13)年4月1日国家総動員法が公布(同年5月5日施行)されるに及び、これに吸収され廃止された。 |
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Upper level hierarchy | Showa (Sino-Japanese War / Asia-Pacific War) > Wartime Regime > Economic and Industrial Policy > Law, Regulation and Institution > Military Industry and Mobilization Act |
Reference materials | 「軍需工業動員法」(木坂順一郎 執筆)『国史大辞典4』、1014頁。中村隆英・原朗『現代史資料(43)国家総動員(1)経済』みすず書房、1970年、23、38頁。 |