日米交渉 資料解説
昭和16年(1941年)10月7日
(時刻不明)豊田外務大臣、野村大使に対し、日米首脳会談に関するグルー駐日アメリカ大使との会談内容を通知
資料1:B02030720200 5 昭和16年10月4日から昭和16年10月6日(11画像左〜15画像右)
「〔昭和16年〕10月7日豊田大臣発野村大使宛公電第六四三号」
画像資料
 昭和16年(1941年)10月7日、豊田外務大臣は野村駐アメリカ大使に対し、豊田とグルー駐日アメリカ大使との会談内容について通知しました。
 資料1は豊田による、会談の内容を伝えた電報です。グルーはこの会談で、10月2日のアメリカ側の回答(10月2日の資料解説文をご参照ください)について、本国からは要点を記した「レジュメ」のみ通知されており、本国政府は日米首脳会談の予備的条件の同意を取り付けようとしていると認められる、と述べました。豊田はこの回答について「満足ナルモノトハ認メ難シ」としながら、「米政府ノ真意ヲ疑フモノニ非サル」とし、日本の内外の状況に照らしてこのように述べているのである、とグルーに伝えました。そして、「ハル四原則」については、回答では「fully(完全に)」「subscribe(同意する)」とされているが、日本側としては「principle(主義上)」同意するにとどまる、と強調しました。これに対し、グルーが野村は当初「無条件」で「ハル四原則」を受諾したことを記憶していると言いかけたので、豊田はこのように米側に誤解を生じさせるようなことがあれば、今後必要に応じて是正を行なわなければならないが、事態を混乱させる惧れがあるので差し控えるだろうと述べました。こうした会談の内容について、野村に限り、参考までに伝えられました。
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